戸隠山顕光寺の縁起に関する古文書。長さ9490Cm(本紙8840Cm)、幅338Cm。奥書には、僧の有通が長禄2年(1458)、諸家に散在する戸隠山流記の一様でないことを憂い、多くの類本を取捨編述し、法林房定与が書写したものであると記されている。
戸隠山関係の縁起として、比叡山の極楽房承澄の撰になる『阿娑縛抄』のうちの「諸寺略記」に記されたものが最古のものとして知られているが、本巻はこれに次いで古く、本格的な縁起となっている。
なお、本巻の写本が東京国立博物館に伝存する。永禄10年に書写されたもので、もと徳川宗敬の蔵本。この写本には錯簡や脱落箇所だあり、本巻との異同が多いが、これも室町時代にさかのぼる貴重な写本である。

顕光寺流記

長野県県宝 平成7年2月16日指定